豊島美術館。
- yh
- 2018年3月21日
- 読了時間: 2分
西澤立衛さん設計の豊島美術館を観てきました。
初の瀬戸内海、初の島巡りです。
朝から生憎の荒天でしたが、なんとか飛行機が飛んでくれ、無事にたどり着くことができました。
唐櫃港に降り立つころにはなんとか雨も上がり、島内巡回のシャトルバスに乗ると3分程で着くのですが、バスを降りてからの棚田と海を見下ろす景色に強く胸を打たれました。
これまで走ってきた道路のライン、勾配(ということは地形の美しさか)、棚田、そして海。すべてが美しくバランスしていて、よくぞこの場所を選んだものだと感心しました。
正直、建物のビジュアルはメディアを通してだいたい把握していたので、まずこの場所にたどり着いて圧倒されたのはロケーションの妙でした。

もちろん、建物は巧みなランドスケープとともにこの地に絶妙に調和していました。
そして本丸、アートスペースへ。
これまで目にしていた写真ではわからなかった、音、そして空気の肌触りのようなものが、湧き出ては消えていく小さな水のダンスと相まって、とても単純で抽象的な状況なのに、みんながそこに佇み、小一時間があっという間でした。
特に「音」についての経験は衝撃的でした。
建物の周りの森の木々が奏でる音と、遠く聞こえるさざ波の音が支配的なのですが、この日は時折雨が降ったので、そうすると、それまで聞こえていた木々や海の音が一瞬にして消え、雨音、というよりは水滴が滴る音が館内に増幅され反響して聞こえてくるのです。
屋根(?)にあいた二つの穴と、その形状が音の増幅装置になっているのでしょう。
どこまでが建築で、どこまでがアートで、どこまでが計算で、どこまでが偶然なのか。
本当に素晴らしい体験ができる美術館でした。
ちょうど良いと感じられる来館者数のうち、半数くらいは外国の方々。
小さな離島の美術館が、なぜこれほど人を惹きつけるのか、その理由が行ってみてよ〜くわかりました。みなさんにも自信を持って訪ねてみることをお勧めできます。
私も、また行ってみたいな〜。